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Visiting Production 会社訪問
「Time to market」という考え方
岡村美里(以降岡村):今日はマウスコンピューターさんの飯山工場にお邪魔しました。第一工場から第三工場まで一通り見学させていただきました。ここで改めて会社の概要を教えていただけますでしょうか?
小島奈保子(以降小島):弊社は開発からサポートまで国内で一貫して行う、コンピューターの受注生産をメインとした事業を行っています。1993年にパソコン通信を利用し製造・販売をスタートしまして、2006年にMCJのPC事業部門を分社化しマウスコンピューターとして立ち上がりました。現在では6ブランド展開しておりまして、mouseという会社名と同じブランドがエンターテインメントからビジネスシーンまであらゆるニーズに幅広くお応えしている万能型のブランド、ゲーミングに特化したものがG-Tuneブランド、クリエイター様向けにDAIVブランド、企業様向けにMouseProブランド、液晶ディスプレイのiiyamaブランド、Windows10モバイルとして MADOSMAブランドを展開しています。
金子覚(以降金子):本日組み立てていただいたのが、DAIVとG-Tuneになります。
マウスコンピューター 飯山工場 パソコン組み立て体験
大河原あゆみ(以降大河原):そうでしたね。弊社の事務所(フナコシステム)でもDAIVを動画編集したり絵を描いたりするのに使用していて、ゲーミング用にはG-Tuneを使用しています。
小島:ありがとうございます。
岡村:そもそもなんですが、なぜマウスコンピューターという社名なのでしょうか? 由来はネズミですか?
小島:ネズミではなく、パソコンのマウスに由来します。マウスのように「人とパソコンの橋渡しを行い、つねにお客様の視点から、より快適なパソコン環境作りに役立っていける存在でありたい」というユーザとコンピュータの間を繋ぐという思いを込めたネーミングです。
大河原:本日工場内をいろいろ見せていただきましたが、国内で生産して、国内で開発をしている会社さんはパソコン業界でも珍しいのではないでしょうか?
小島:創業当時から「Time to market」というキーワードを大事にしておりまして、新しい技術をいち早くお客様にお届けしたいと考えております。これを実現するのに国内で一環の流れを行なえることが重要になっています。
大河原:ユーザさんから発注があり、在庫を抱えないでひとりひとりのためにモノを作っていくわけですよね。
小島:そうですね。
大河原:パソコンの組み合わせとして何通りくらいあるのでしょうか? 想像がつかないのですが。
金子:1億通り以上ある製品もあります。
大河原:そんなにですか!
それと工場を見学させていただいて驚いたのは、訪れる前はベルトコンベアで流しながら大量生産して、決まった作業だけを分業してやられていると思っていました。そしたらひとりひとりやることが違うし、どれも手作業で丁寧に作ってますよね。お菓子を作るように、この人のためのバースデイケーキみたいなイメージで作っていてびっくりしました!
金子:少ロット多品種のビジネスなので国内でないと成り立たないんですよ。
岡村:全国からここにスタッフが集まっているのですか?
金子:基本、ラインのスタッフは地元飯山の方が多いです。また開発は元々東京にありましたが、現地現場でいろいろなことが動くので飯山に拠点を移動しました。
大河原:神田の本社があって、飯山に生産工場があり、それから、、
小島:修理工場が埼玉(春日部)にありまして、コールセンターは沖縄にあります。
岡村:ネットの口コミで「コールセンターが24時間繋がって、しかも対応が良いからマウスさんに決めた」という→書き込みが多かったのが印象的でしたが、24時間対応は珍しいというか大変ではないですか?
金子:一般的には9時~17時対応だと思います。その上で24時間だとオプションでという感じではないでしょうか。弊社の場合は個人のお客様が多いので、日中仕事して夜にパソコンを使うということで、お客様視点で考えた結果、必然的に24時間対応になりますよね。なので弊社は昔から24時間対応をしています。
パソコン会社に入社された理由は?
大河原:パソコン業界の方は男性が多い印象でしたが、本日は小島さん筆頭に女性の方が多かったのが印象的でした。そもそも小島さんはパソコンが好きだったとか、パソコンを使って何かしていたとかあったのでしょうか?
小島:全くなかったです。機械も弱いですし。
大河原:そうなんですか!?
岡村:それなのにパソコン会社に入社された理由は何でしたか? 女性として興味あります!
小島:創業者・髙島(勇二)が社長の頃に、彼が新卒者の説明会に登壇して話を聞く機会があったのですが、その人柄に惹かれて入社を決めました。なので、取り扱う製品などは後で知りました。
大河原:コンピューターの業界に入るのは不安ではなかったですか?
小島:どの業界に入ったとしても新卒であれば知識の差はないと考えていましたので、まず行ってみようと考えました。
岡村:大変そうですが、、
小島:広報の仕事をはじめてメディア媒体の方やライターさんと接する機会が増えて、そのメディアの人に興味が湧いたというか、そこから更に知識を広めていきました。優しく教えてくださる編集者の方も多かったので、それほど苦痛に感じたことはなかったです。
岡村:そうなんですね。今では自作でガンガンパソコンを作るくらいになったのでしょうか?
小島:それはちょっと厳しいです(笑)ただパソコンは好きですし、パソコン業界の人も魅力的ですね。最初は単なるマニアの集まりだと思っていたところはありましたけど(笑)
大河原:工場の方も魅力的ですよねぇ。親切ですし。
小島:ひとりひとりが丁寧にパソコンを作っているのが、外部に見える形ではなかったので、これを外に広めないといけないなと思いました。
大河原:ただ、会社を知ってもらうというか、広報の仕事は重要でありつつ大変ですよね?
小島:そうですね。「こういう良い反応ありましたよ」と言われると嬉しいですし、「すみません、まだ存じ上げません」と言われるとまだまだ力不足だなと感じ、頑張らないとと思います。
パソコンのオーダーの仕方について
岡村:私みたいなパソコン素人が、WEBを見てオーダーしようとしてもまず用語につまずくのですが、そういった場合どうしたら良いのでしょうか?
小島:一番いいのは、店舗に来ていただいて、店員にどういった用途で使いたいかを話していただけるがいいのですが、店舗で相談するにしても先に情報を集めたいという場合は、製品比較レビューや著名な方の使用レビュー、導入事例などもWEB展開しておりますので、そちらを読んでいただくのも良いかと思います。また現在力を入れているのは、各業界の有名な方のお薦めのスペックのパソコンを、インタビューを添えてサイトに出していますので、そういうのも参考にしていただければと思います。
岡村:八王子Pさんの見ました!
小島:ありがとうございます。直接店舗に来られるのが難しい場合は、電話相談でも対応しています。
岡村:電話相談いいですね。
金子:またチャットでも対応しています。
大河原:チャットは便利ですね!
岡村:店舗に行く勇気もなく、電話の勇気もなかったら、チャットでやれますね。会員登録しなくていいんですか?
小島:はい、大丈夫です。
大河原:私の場合ですが、「ゲームをやりたい」という目的があり、そのためにはノートパソコンでは出来ないとわかり、デスクトップパソコンを買おうと考えたんですが、あらゆるメーカーがいろいろなパソコンを出していてさっぱりわからなくなりました。その時に憧れていたプロゲーマーの方がマウスコンピューターさんのG-Tune使用していたので購入しました。
小島:ありがとうございます。
マウスコンピューターさんは、中村獅童さんのCMで知りました
岡村:中村獅童さんのCMでマウスコンピューターさんを知った人が多いと思うのですが。
小島:2016年1月から中村獅童さんのCMでブランディングを行いました。まず親しみやすく、覚えてもらいやすい名前へブランド名を変え、合わせてロゴも変更、次にCMを打って認知度を高める戦略をしました。
岡村:私もあのCMで知りました。こういった国内のメーカーが出来たんだと最初思いました。すみません、、
金子:どうしてもパソコンは、M2層といわれる30~40代男性が中心ではあるのですが、認知度を高めるための戦略でした。国産であること、そして24時間365日のサポート「安心してあなた方を守ります」という狙いのCMです。あと「意外と売れている」というのが伝えたいメッセージでした。
モノ作りとしての飯山
岡村:小学生向けにパソコン組み立て教室を夏に催されていますよね?
小島:2010年から行っておりまして、ここ最近は参加されるお子さんが、将来プロゲーマーになりたいとか、マインクラフトに使いたいとか、目的意識がはっきりしているお子さんが増えてきました。イベントを楽しんで帰っていかれますのでこちらとしてもやりがいがあります。
岡村:地元の小学生が多いのですか?
小島:全国から組み立て体験に来られますね。
岡村:作ってみてわかりましたが、パソコンの組み立ては楽しいですね。
大河原:私は愛おしくなりました!
金子:自分で組み立てるとそうですよね。
小島:夏休みの「親子パソコン組み立て教室」は、小学6年生限定ですが、その他には、WEB購入のカスタマイズの項目に「【自分で作る、だから楽しい!】組立ワークショップ」という項目がありますので、それをクリックしていただければ、ここで組み立てて持って帰っていただくこともできます。
岡村:これまでパソコンは使えればいいやと思っていたのですが、本日は本当ごめんなさいって感じになりました。
金子:弊社に限らず、モノ作りしているメーカーさんはそれぞれ“思い”があると感じています。私たちの例で言いますと、長野県は精密機器の会社さんが多い土地柄ですし、手先が器用な人が多いです。だからこそここから、日本のお客様のためのモノ作り、日本のリクエストに応えるための対応を大切にして取り組んでいます。
岡村:来て接して感じたのですが、人もそうですが飯山という場所がいいですね。新しい建物と古い建物が混在した素敵な町ですし。新幹線の駅もまた新しくすごく素敵でした。
大河原:日本の美しい土地や技術のこだわりは素晴らしいですね。今日は本当に貴重な体験をさせていただきありがとうございました!
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株式会社マウスコンピューター
〒101-0035 東京都千代田区神田紺屋町15 神田TKMビル 2F
TEL 03-6739-3811(代表)/FAX 03-6739-3821
http://www.mouse-jp.co.jp
Twitter: https://twitter.com/mouse_computer
Facebook: https://www.facebook.com/mousecomputer
- ■事業内容
- パーソナルコンピュータ及び周辺機器の開発、製造、販売とそれに付随する一切の事業
- ■ヒストリー
- 1993 創業者・髙島勇二がパソコン事業を立ち上げ
1998 マウスコンピュータージャパン株式会社発足
有限会社エムシージェイ設立
東京/「秋葉原ショールーム」をオープン
2001 マウスコンピュータージャパン株式会社と株式会社エムシージェイを合併、存続会社を株式会社エムシージェイとする
2004 ゲーミングブランド”G-Tune”開始
2006 株式会社MCJ PC事業部門を新設分割により分社化し 株式会社マウスコンピューターを設立
2008 株式会社iiyamaを吸収合併
2011 法人向けブランド”MousePro”開始
2015 店舗直営のサービスセンター「秋葉原サービスセンター」を設立
Windows OS搭載スマートフォン「MADOSMA」を発売
2016 クリエイターブランド”DAIV”開始
- INTERVIEWEE
- 金子覚(マウスコンピューター コーポレート営業部部長)
小島奈保子(マウスコンピューター コンシューマ営業統括部 広報)
- INTERVIEWER
- 岡村美里(ワオ・エージェンシー)
大河原あゆみ(フナコシステム)
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