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Visiting Production 会社訪問
プロダクションに情熱を(Side Effects Software社のwebより)
Side Effects社の製品は数々の受賞に輝き、プロダクションでの実績を樹立しました。アカデミー賞ではSide Effects社のテクノロジーが2度も表彰を受けています。アカデミーの受賞を決定するまで、Side Effectsのユーザー達の意見を伺い、そのテクノロジーが確かに「映画製作の芸術と科学」に貢献していると確信したのです。 Houdiniは完全3Dソリューションとして、綿密な統合性、豊富なカスタマイズ性を持ち、仕事の規模によってユーザーに合わせることが出来ます。Side Effectsの革新的な技術は200作以上ものの映画作品の内、5,000以上のカットによって検証されてきましたが、アーティストがHoudiniを選ぶ理由は、難度の高いカットや膨大なデータを処理するためだけではありません。
Houdiniを使用すると、通常では社内でのプログラム開発が必須な仕事はプログラムを書かずに進められます。Houdiniは既存のツールとの相性が良く、制作の流れに組込みやすいです。完全で統合性の高いスケーラブルなソリューションとして、 Houdiniは貴社の拡大していく制作ニーズに対応いたします。Houdiniのデジタルアセットでは、制作中で発見したプロセスや小技は将来のプロダクションで簡単に再利用することが出来ます。Houdiniのユーザー達はプロフェショナルの中でも最も知識が豊富で、彼らはHoudiniフォーラムに投稿し、その知識を喜んで分けています。
訪問&インタビュー(17分)
音楽:三林勇亮
Enhanced-Endorphin (以下EE):まずはKim社長の経歴含め、Side Effects社の生い立ちをお話いただけますでしょうか?
Kim Davids on社長 (以下、Kim):私はアートと科学が好きだったので、ウォータールー大学で建築とコンピューターサイエンスを学びました。1980年から82年ごろUNIXシステムのコンピュータプログラマーとして働きました。以前はグラフィックアートもやっていました。ある日、トロントにあるオムニバスという会社が、大量の人を雇ってプログラミングコードを書くようになりました。その当時、購入可能な3Dアニメーションのプログラムがなかったためです。またこの頃は、まだシリコングラフィックス(グラフィックス専用ワークステーション)が設立されたぐらいで、グラフィックス専用のコンピュータを使っておらず、大規模なメインフレームのコンピュータを使っていました。 それで、2年間私はオムニバス社でプログラミングをしながら、アニメーション演出をやるようになりました。コマーシャルのタイトルロゴの演出などをやりましたが、自分のソフトを使っていたので、演出以上に細かい作業まで自分でやっていました。初期の頃はみんな、プログラマーとアーティストの両方をやっていました。実際その当時の多くの人はテクニカルな面とアーティスティックな面の両方をやらないといけなかったのです。 1986年、オムニバス社はとても大きな会社になりました。その当時オムニバス社と同じぐらい大きかったCGプロダクションであるロバートエーベル&アソシエーツと『スターファイター』を制作したデジタルプロダクションを買収しました。そのおかげで、3Dアニメーションをレンダリングできる大規模なCPUパワーのあるコンピュータが使えるようになったのです。 その後、不幸にも大きな変革がありました。SGI(シリコングラフィックス社)が安価なパーソナルアイリスを考案し、wavefront社が3Dソフトウェアを開発しました。我々は独自のソフトウェアとグラフィックスマシンを持っていましたが、この変革のためにオムニバス社はそれを活用することができずに1987年に倒産してしまいました。
EE : オムニバスの倒産は日本でも話題になりましたし、また日本ではJCGL (Japan Computer Graphics Laboratory)という日本で一番古いCGスタジオが倒産した年でもあります。
Kim:私は、オムニバスにいたので失業しましたが、コンピュータアニメーションは依然好きでした。オムニバスは倒産する前に日本の東北新社にソフトを売り、東北新社はオムニバスの名前を使わせてくれるよう頼んできました。それでオムニバス・ジャパンができたのです。それからオムニバスはイギリスにも渡り、コンピュータエフェクトという会社を買収しました。会社が倒産した時に二人の人物がPRISMSというソフトを使っていたんですが、それはオムニバスのソフトの社内での名前で、社長のジョン・ペニーさんが名付けたものでした。 オムニバスは倒産したため、銀行か債権者がこのソフトを持っていました。それで私とグレッグ・ハーマノビックがそれを買い取ろうとしました。私は企業家というよりCGアニメーターとしてコードを書きたかったので、オムニバスの債権者からからコードを買い取り、サイドエフェクトを立ち上げました。これがサイドエフェクトの始まりです。
EE :日本では、『アポロ13』の時に PRISMS を使えば同じようなことができる!みたいな神話が生まれましたが、アカデミー賞の影響は大きいのではないでしょうか?
Kim :映画芸術科学アカデミーには視覚効果賞と技術賞がありますが、これは作品に対する賞というより装置の発明とか映画技術が進歩するようなアイデアに対して贈られるものです。たとえばカメラレンズを早く動かすとか熱気球でカメラを持ち上げるとかは技術賞になります。PRISMSのようなCGソフトがペイント、合成、3Dアニメーションでデジタル映画製作を向上させた、ということで突然、技術賞の対象になりました。『アポロ13』など多くの作品の特殊効果でPIRSMSのシステムやモデリング手法が使われました。そしてそれによって、我々は87年、いや92年に初めてPRISMSでアカデミー技術賞をとりました。その5年後、97年に再び賞をもらい同じ年にレンダリングの技術で別のアカデミー技術賞をもらいました。
(※)『アポロ13』(1995)のアカデミー賞視覚効果賞はノミネート。
EE :何故大成功した PRISMSからHoudini に切り替えたのですか?
Kim : まずPRISMSがあってそれからHoudiniができました。多くの人からなぜ Houdiniを作ったのか聞かれました。理由は2つあります。PRISMSはC言語で書かれていてC++コンパイラを使えなかったこと、そのために最新のコンパイラや光学的な技術が使えなかったからです。 一方、グラフィックスは非常に速度が速くなってきたので、我々のシステムは手続き型システムには見えなくなりました。今ではネットワークやノードを書くことができたため、インターフェイスにグラフィックなイメージをつけようと思いました。それで全コードを変更し、ボタンの集積からきれいなネットワークへとグラフィックなレイアウトに変更することにしたため、システムに新しい名前をつけることにしました。 コンセプトは同じですがそれに多くの脚をつけ足したんです。こうしてHoudiniが誕生しました。それにはおよそ2年位かかりましたが、PRISMSに慣れ親しんだ人はみんな気に入ってくれて、PRISMSには戻れなくなったのです。
EE : その後の Houdini の成功は素晴らしいものですが、その秘訣は何でしょうか?
Kim : 大きな変更があっても、我々は会話が成立するようなコミュニティーでしたので、そのことには非常に愛着を持っています。ライセンスの更新とか口コミ評価、このコミュニティーで築いたマーケッティングやマニュアルなど多くの見返りがあります。我々はハイエンドのパッケージを考えていましたが、2年後の最近になって値段を下げ、オラクルブランドで我々のストアを出して、そこでコミュニティーを提供することで3Dアセットの最良のアイデアを紹介し、人々がアイデアをより早く共有できるようになりました。Houdiniユーザーのコミュニティーを向上させ数を増やすように努力していますが、それはハイエンドのユーザーのためだけではないと私は信じています。長年にわたる変更で3D技術は非常に扱いやすくなってきていると思います。
EE : Houdiniはエフェクトに強い3Dソフトウェアだと認識がありますが、どうでしょうか?
Kim:Houdiniに対する2つの誤解があります。1つ目は、映画では特殊効果に多く使われているため、多くの人がHoudiniは特殊効果のためのソフトだと思っていること。もうひとつはHoudiniは難しくてハイエンドユーザーだけのものであるということです。特殊効果について言えば、実はそんなことはなくて、多くの便利な機能を提供しています。 モデリングやプロセデュアルモデリング、ライティングなどライティングパッケージ、レンダリングパッケージ、コンポジットパッケージこれら全部をひとつにまとめています。Houdiniを使ったテレビのキャラクター番組もあれば、映画もあります。様々なコンポーネントが使われていましたが、会社が小さいのでマーケッティングを全てコントロールできず、特殊効果のソフトとして認知されているんです。それが誤解を生むことになっています。我々はこのパッケージでもっと多くのことができることをお知らせしたいのです。我々のユーザーはそのことを知っていますが、一般的にはまだまだ知られていないと思います。
EE : 今日は Side Effectsについて、Houdini について、いろいろ勉強になりました。ありがとうございました。
Kim:Thank you. My pleasure.
- Side Effects Softeware
- Side Effects社の本業はソフトウェアの開発です。ですが、殆どの時間はお客様に訪問し、話し合い、サポートをして17年間プロダクションのパートナーとしてやってまいりました。完全のオンサイトプロダクションサービス、緊急サポートを提供しています。また、長年のプロダクション経験を持つコンサルタントを雇用しています。
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Side Effects Softeware
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