- Tweet
- 記事を共有する
Visiting Production 会社訪問
岡村美里(以降 岡村):今日はよろしくお願いします。まず来て驚いたのですが、この建物は普通の一軒家ですよね?
岩村あや(以降 岩村):ここは仕事をする事業所としてこの場所を借りています。
岡村:何故オフィスビルとかではないのですか?
岩村:もともとはフリーランスの集まりの“シェアオフィス”として借りたのが最初なのです。私も会社立ち上げる前はフリーランスだったので、1人で借りるより3人で借りる方が良い物件があるので、ここを何人かのフリーの人で借りました。その後、人が増え法人にする人がいたりして今に至ります。あと、ここにいる方々は、それぞれ違う仕事をしているので守秘義務などの兼ね合いもあり、このような間取りで別々の部屋になっているのも都合が良いですね。
岡村:どの部屋にするかもめませんでしたか?
岩村:幸いにもそれはなかったですねぇ。みんな大人なので(笑)。
小池万瑠美(以降 小池):「COLOR BY COLLECT」という社名の由来は何ですか?
岩村:この場所には、法人が2社、フリーの個人が3名入っていて、私の会社が「COLOR BY COLLECT」です。10年ぐらい前に中目黒で、フリーの3人で「COLLECT」というシェアオフィスを立ち上げました。それから10年やっていたのですが私が起業した時に、頭に「COLOR BY」を付けて始めました。
乙藤未来(以降 乙藤):どのような仕事内容の会社なのでしょうか?
岩村:CGをメインとしてCMやPVなどの仕事をしています。ただこの建物には2社含め6人います。ぞれぞれに依頼された仕事をお互い助け合いながら仕事をしている集団という感じです。会社によってCGのソフトウェアも違ったりするのですが、データ変換するなども含めて助けてあってやっています。優先的にお互い仕事を割り振る感じでもなく、どちらかとうと自然に助け合いながら仕事をしているイメージに近いです。
網倉理奈(以降 網倉):この仕事を始められたきっかけは何でしょうか?
岩村:大学の頃はコンピュータに触ったことがなく、絵を描いていたのですが、学生の時にNHKの美術部のアルバイト募集がありアルバイトをはじめました。当時NHKには最新のコンピュータやソフトウェアがあり、それを触ったのがきっかけで覚えていきました。そのアルバイトは3年ぐらいやっていて、就職の時にその経験を生かしたところに就こうと考え、コンピュータで絵を描く会社に入りました。
中村桃子(以降 中村):実際にCGの勉強したわけでないのですね。でも今の新人さんはCGを覚えた人が来るといった感じですか?
岩村:私がさわって覚えたタイプなので、CGを学んでいたらいいなと思いますけど、新人さんもCGをさわってなくても来てもらったりします。来たらCGをさわって覚えてもらうといった感じになっています。
齊藤奈津子(以降 齊藤):日本の社会というかCG業界は男性が多いイメージですが、女性ならではの利点はありますか?
岩村:そうですねぇ、若い頃は男性も女性も同じですよと考えていたのですが、今は生まれながらの性差はあると感じています。そこは埋まらないので、男性は男性として認めて仕事すると案外いろいろな意味でうまくいくように思います。
乙藤:この前テレビで、男性は一点集中型で女性の50倍仕事ができるそうで、ただ逆に女性はいろいろ同時に仕事ができるらしく、逆に男性の50倍いろいろな仕事を動かせると言ってました。そういった違いはあるのかもしれませんね。
岩村:そういった性差はどうしても埋められない差があるのもしれませんね。自分の言動も昔は男女一緒です!と思っていたのですが、今はやはり違うアプローチになっている気がします。
小池:女性が仕事を続けて行くためにはどうしたらいいのでしょうか?
岩村:難しい問題ですし、大切なことですよね。私の場合はスタッフに助けられているように感じます。妊娠出産を経験しましたが、その時は本当にスタッフに助けられたと思っています。
小池:同じ仕事を10年続けるためのコツってありますか?
岩村:仕事はすごく辛かったりもするのですが、やっていることが楽しかったんですよ。ただ元々この仕事が好きではじめて、絵が出来上がると嬉しくなる感覚が今でもあるからなのかもしれませんね。あと好きな仕事もしつつ、空いた時間には映画観たりショッピングしたりと、うまく時間を使えるコツを見つけたことが今まで仕事を続けられた理由かもしれません。
岡村:最近の楽しいことというか印象に残っていることは何ですか?
岩村:息子と遊ぶのが一番楽しいです。また私が映像の仕事をしているので、一緒にアニメや映画を観るのもいいですよ。
中村:私疲れている時、アニメ観ると、特に子供向けのものがすごく癒されます。
岩村:そうだよねぇ。
岡村:子供が出来て世界が広がりました?
岩村:それは広がりますよ。CGやっているとCGだけの世界だったりしますが、子供のお母さん友達と話すとやはり世界が広がりますよ。
網倉:これまでにお仕事で経験された中で、一番最高だった出来事とか「やっちゃったなー」という出来事は何ですか?
岩村:一番嬉しいことは人に評価された時でしょね。クライアントさんだったり、見た人の感想だったり。逆に忘れない出来事として、会社に入って3ヶ月目ぐらいにタスクをもらいやっていた時のことです。プロジェクトまるごとデータを消した事があります。当時 UNIX というOSだったのですが、<rm *> のコマンドを打ってしまったことです。当時 <yes/no>と消す前にもう一度確認する表示がありますが、なぜか<yes>と打ってしまったのです。そしたらハードディスクがカラカラと音がしだした時は、血の気が引きました。実際にはシステムの管理上、前日までのバックアップが残っているので、それを戻してもらいましたが、最初はそのことすら知らなかったので、あの消してしまった瞬間は今でも忘れません。それで12時間前のデータを戻してもらい、12時間の仕事を1時間でやります!と言って頑張りました。あれは忘れられないです。
中村:私も携帯のアドレスを全部消した事ありますが、同じ感覚なのかもしれません。あの時は凄く焦りました。
岩村:ですからあれ以降、私はデータ消したことはないですが、若い時にいい経験しました。
齊藤:この中で、だれが一番社長に向いていると思いますか?
岩村:皆さんなれると思いますよ(笑)。
齊藤:そうですか?
岩村:私が社長と言われるのはおこがましいですし、大きな会社でもないので判断には困りますが。私は自分が働きやすい環境を作ろうとしたらこうなったといった感じです。身の丈にあった会社の規模だったり、仕事をしているので、そういった形でやれば皆さんもできると思いますよ。
岡村:素晴らしいですねぇ。
岩村:自分の背丈にあわないことするよりは、自分が苦しいとか嫌だなということをなるべく排除して、楽しく仕事したいと思っています。無理せずやると長く続けられますよ。
中村:素敵な会話ありがとうございました。キラキラしている人と話すと自分たちもワクワクするのでそれが伝わってきました。女子会みたいになったようにも感じますが、女性だから聞きたいことも話せました。私達もがんばりたいと思います。今日はありがとうございました。
INTERVIEWER:
岡村美里(ワオワールド)/ 乙藤未来(声優)/ 小池万瑠美 (声優)/ 中村桃子(東京フィルムセンター映画・俳優専門学校3年生)/ 網倉理奈(東京フィルムセンター映画・俳優専門学校1年生)/ 齊藤奈津子(東京フィルムセンター映画・俳優専門学校1年生)
EDIT&PHOTO:Enhanced-Endorphin
株式会社 COLOR BY COLLECT-
〒150-0011
東京都渋谷区東2-14-28 ラフィーネ渋谷B棟
TEL/FAX: 03-6427-5125
http://www.colorbycollect.net
- 代表取締役社長 岩村あや
- CGディレクター/CGデザイナー 東京都生まれ。武蔵野美術大学卒業。
株式会社オムニバス・ジャパンCGI部を経て、COLLECT所属フリーランスを約10年経験。のち、2010年10月に株式会社カラーバイコレクトを設立。