――でもメガネもいますよね。宗兄弟とか。
「アハハハハ、そうですね。でも、モデルではないですよ! あとは怖い目つきにしようと。ちょっとあんまりうまくいかなそうだなこのカップルって。スケッチをしていくとだいたいそんな感じに。
――自分の中でそうやって描いていたキャラクターたちが予想以上のパワーを持っていったんですね。
「そうですね、シュウジに関しては、なんにもできない手詰まりな人なんで、かわいそうだったなあとは思うんですけど。基本的には状況に流されていくだけで。最初のうちは成長しないのが当たり前ってことで。そういう演出で描いていたんですけど。
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――ちせは?
「ちせさんの場合は、映画でもありましたけども、『これから恋愛始めたばっかりなんで、まだやりたいことがあるので、せっかく今恋してるので、殺すのはやめて欲しい』ってことを言うわけなんですけど。そのシーンを描いたときに、ああ、ちせって人を好きになれるかもなっていう。自分のキャラクターとして、この言葉が出てくるんだったら信用してあげようかなあって気持ちにはなりましたね。
――それまでは……?
「それまでは……あまりいい言葉ではないですけど、この話を考えたときに、シュウジが、どれだけ受けいれられるかどうかっていうのがこの作品を決めるって思っていたので、女の子は可愛ければいいなって(笑)。
――その程度だったんですね。
「うん、シュウジの始まりと同じように『ちせは可愛い』で、それだけでいいんだって。実際に可愛く描こうとがんばったんですけど。そういう意味ではシュウジをいかに……。
――そのことに注力したんですね。
「ええ。『好きになってくださーい、この人。あんまりいいことしませんけど』っていう(笑)。
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