――電車内でぼんやりするのは嫌いなんですね。
「そうですねー。電車の中では色々考えないともったいない(笑)。電車の中は強制的にモノを考えさせられる時間ではあるので。そうやってやっていたところで、たまたまそのときは手持ちがなくて、中吊り広告をながめていたんです。そこで、“最終兵器”という言葉と“彼女”という言葉が別々のカタチで書いてあって。
――最終兵器って書いてあったのってなんの雑誌だったんですかね?
「全然覚えてないですけどねー。“彼女”はそのへんにありそうですけどね(笑)。そのエピソードだけ覚えているんですけど。
――それは両方とも大きめの字だったんですか?
「そうですね。両方ともあおり的な大きな文字で。きっと並んでいたんですね。
――並びで読んで最終兵器……彼女か、と。
「最終兵器が彼女だったらイヤだなあって(笑)。まあ、たまたまそういうふうに頭がいい具合にバカになっていて。
――普段から頭の中でそういうゲームをしているわけではなく。
「たまたまですね。そこから始まったものを全部プロットにして、最後こうなりますってところまで全部書いて。それを○○駅前のミスドで。
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――今は亡きあのミスドで(笑)。
「今は神戸屋のミスドで(笑)。女子高生が周りで騒いでるところで。『こんな感じのものを考えてるんですけど』って担当さんに。
――担当さんは『最終兵器彼女』? なにそれ?……って首を傾げませんでした?
「有能な担当さんだったので(笑)。仮に『はあ?』って思ったとしても、前向きにとらえていただいて。最後までプロットが書いてあったのがよかったのかもしれないですけどね。作家なので話すのって苦手なんです。『なんていうか彼女が最終兵器で……』って口で言っても、『はい、その話はもう終わり』ってなっちゃうかもしれませんから。
――「じゃ、次いこうか」って
「そうそう。『で、私が考えてきたネタなんだけど』ポーンみたいな(笑)。まあ自分の中で具体的なイメージまで全部あったので。めったにないですけどね。
――それはもう「降りてきたー!」っていう感じですか?
「降りてきたっていうよりも順を追って考えてみたって感じですけどね。で、最後こうなるかって。
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