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――『いいひと。』が終わって次回作の構想が頭にあったんですか?
「一切なかったですね。(『いいひと。』で)全部搾り出そうってことで。最後の最後まで搾り出してしまったので。そういう意味では、まったく次回作云々っていうのは頭の中にはない状態ですよね。
――いいひとは長編連載としては1本目ですよね。
「そうですね、連載デビュー作。
――それが思いのほか長引いてしまった?
「そうですね。わりと……まとめていこうと思ってからは長かった。描くことが膨らんだので。
――最終的には紆余曲折あって。
「なるべくきちんと完結させてあげようと。読者が愛してくれた作品だったので。こちらでコントロールできるようなカタチで。
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――デビュー作があれだけのヒット作になると、2作目のプレッシャーは?
「なかったですね。次はまあ、ちょっと遊ばせてくれるだろうというような。同じ路線をやるってことはあまり考えていなかったので。今度はどういう面を出していこうかなってことを考えて。
――当然今度は別のベクトルで。
「そうですね。連載のチャンスは少ないので、色んなカタチの作品を……可能性を探してみたいっていう。
――『サイカノ』のプロットを思いついたきっかけとして、有名なエピソードがありますね。
「小学館に打ち合わせに行くときだったんですけど、いつもはだいたい本を持っていったり雑誌を読んだりして時間を潰すんですけど。売店で『週刊文春』買ったり。ハハハ
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