――彼女が最終兵器だったらイヤだなあって思ったとしても、すぐ忘れちゃう場合もありますが、何かにメモしておいたんですか?
「電車の中で色々シミュレーションをずーっとしておいて。家に帰ってすぐにアイデアプロセッサーみたいな。箇条書きみたいにして後で組み立てるというか。
――そのときに考えたものが、基本的には全てのストーリー?
「そうですね。ただ、主人公2人がちょっと頑張りすぎたかなっていう(笑)。『そこまでやんなくていいのに!』っていうくらいがんばってくれて。それが生きたってことだと思うんですけど。
――当初の予定ではもう少しコンパクトな作品になる予定だったとか。
「はい。今回も映画にしていただきましたけど、いわゆる映画的なコンパクトな見せ方。映画も劇中で流れている時間はかなり短いわけですけど、それを想定して始めたんですね。こういう、ちょっと普通ではない状況で、人間突っ走れる時間ってどれくらいか?っていったら、かなり短いと思ったので、そういうつもりで始めたんですけども。やっぱり主人公たちがかなりがんばって突っ走ってくれて。
――どんどん伸びて。
「『終わんねーッ!』って感じ(笑)。ただ、こいつら行くところまで行くんだったら描ききってあげたいなあって気はしましたね。
|
|
――原作はギャグあり恋愛ありアクションありSFありっていうふうにバランスをとって進んでいったのかなって気もしましたが、基本的には恋愛を描きたかった?
「連載って雑誌でまとめて同時期に何本かやるんですけど、そのときにプレという感じでこれからこんな漫画を連載しますよっていう紹介記事みたいなのがあって、それで最終兵器のことはおくびにも出さずに(笑)『高橋しんがちょっと恋愛モノを描いてみたいので』って言って。イメージカットとして男の子と女の子が自転車に乗っていて、うえに自衛隊の戦闘機が一機飛んでますっていう、そういう絵を描いたんです。
――サブリミナル効果を狙って。
「誰も(飛行機は)気にしてなかったみたいですけど(笑)。そういうふうにして。高橋しんが描きたい恋愛っていうものがどうしてもあるので、今回やらせてもらいますということでやったので。だから最初からターゲットは恋愛ですね。やっぱり『最終兵器彼女』ってタイトルからはミスリードされてしまう部分っていうのを、なるべくこう、おさえてっていうカタチで。かなり気をつけながら作りましたね。
|