|
|
第12回「新生プロイスト誕生秘話」 |
|
|
|
どーも、三条です。
現在、31話まで作業を完了しています。
30、31、32話が連投です。
これを過ぎるといよいよクライマックスに突入です。
なんか燃えてくるような、緊張するような……。
さてさて、プロイストの正体、驚いていただけましたか?
初登場回の18話は評判も上々で視聴率もちょっと上がり(喜)、スタッフ的には非常に元気の出た回でした。
ディックと次大帝プロイストという、敵味方のカンフル剤として投入した新キャラがちゃんと機能してくれたみたいで嬉しかったですねえ。
特にこのプロイストに関しては様々な人たちの場の流れが生んだ摩訶不思議なキャラクターになりました。
「ガイキングLOD」は基本的なアウトラインの流れとおおまかな結末まではぼくが考えていますが、オリジナル作品なだけにストーリー展開やキャラクターの詳細に関してまでは細かく決め込まれていません。
スタッフみんなのディスカッションなどによりどんどんと新しい方向へ転がって行ったりする、そこがまたやっていて面白いところでもあります。
プロイストの正体に関してはぼくの中ではノーザ軸でのみ決まっていて「ノーザのオリジナル体で大帝の真の後継者。ノーザは生体部品のスペアだった。」という事のみが決定事項でした。
そんな矢先、年内最後のアフレコ後に声優さんたちとシナリオライター陣の飲み会があったのです。
田中真弓さんをはじめとする声優さんたちが「この作品は原作ものとかじゃなくてオリジナルなんだから、今のうちから『自分のキャラはこういう展開にしてくれ!』ってライターさんたちに希望を言っておこうよ! ホントにそうなるかもよ!」という話になったらしく、梶さんや櫻田さんがセッティングしてくれたのでした。
「もーちょっと絵をつけて下さい!」という基本的な部分wに始まって、声優さんたちが各々担当されているキャラクターの行く末に対して色々希望を言っていきます。
「お、当たってるなぁ」というのもあれば、「それは思いつきもしなかった!」という意見まで様々。
いやーホントに新鮮です。みんな凄い情熱を持って演じてくれているのが伝わってきます。
そんな中、ダイモンじいさんとダリウス大帝を演じておられる大友龍三郎さんの番になりました。
「実は大帝は今まで自分が演じてきた悪役とは声質を変えて演じているんですよ。」
あ! それはたしかにぼくもそう思っていたのです。
大友さんの声は「冒険王ビィト」のグリニデ閣下などでも自分的にはおなじみだったのですが、そうした他の悪役のダンディな声に比べちょっと高い感じがするな、と感じていました。
ダイモンじいさんと演じ分けるためにそうしているのかな、と思っていたのですが。
「歴史上の独裁者の演説とか聞くとみんな声がカン高いでしょ? 意外とそういう人物は女性的な面が強いのかな、と思って。だから、自分としてはダリウス大帝は両性具有というか、性別を越えた感じでわざと高い声でやってみているんですよ。」
ほおーーーっ、と唸るライター一同。
なるほど、そんな役作りがされていたのか!
この一言があの新生プロイストを生んだのです。
その後の会議で、仮面が割れてどんな姿が出てきたら驚くだろうと言う話になった時、みんなが自然とこの時の大友さんの話を元にしていたんですよね。
ダリウス大帝がそういう性別を越えた存在ならば、その子供もそうだろうと。
その後は雪だるま式に盛り上がってあのキャラへ一直線です。
「もう普段はお蝶●人みたいな喋り方にしちゃいましょうよ!」と大乗り気の古怒田さん。
そして、細田監督とさんのいつもながらの強烈なキャラクタービジュアルワーク(まさかあそこまで可愛い系になるとは思わなかった!)。
さらに、お嬢様っぽい残酷な可愛らしさとキレたワガママ王子のような凶暴さを両方演じられる方と言う事で、オーディションの結果声は池澤春菜さんに決定、ともうどーにも止まらない状態!
そして、あの衝撃登場となったわけです。
本作最凶の悪役として、彼女(彼?)は今後も大暴れしてくれるでしょう。
こんな風に「ガイキングLOD」は
声優さんとお酒を飲んだだけで新たな地平へ行ってしまう作品
なのです。
いろいろな関係者の方のエネルギーがドクドクと入り込んでくる、本当に油断のならない番組ですよぉー。
それでは、また来週。
次回はディックとキルジャガーについて書きましょう。
(2006/04/25 三条陸)
|
|
|
|