誕生以来、その活躍はあらゆる年代に及び、もはや日本人で知らない世代はいないのではないかと言われている作品「ゲゲゲの鬼太郎」。それは、つねに時代に要求された妖怪活劇の代名詞だった。1960年代、70年代、80年代、90年代と4度もアニメ化され、シリーズごとに時代背景は変わったものの、基本設定になんら手を加えられていないというその完成度の高さは、他のアニメ作品に類を見ない。
その中でも、もっとも長い期間お茶の間の人気を得ていたのが、この第3シリーズである。
「ゲゲゲの鬼太郎」は製作された時代によって、シリーズごとの特色が出ることも一つの特徴である。
「北斗の拳」、「聖闘士星矢」、「キン肉マン」などがひしめいた80年代ヒーローアニメの中で堂々の最高視聴率NO,1を記録した「ゲゲゲの鬼太郎」第3シリーズの特徴とは、「ヒーロー性」である。人間と妖怪の共存を願い、どこからともなく現われて人間に害を成す妖怪と戦うヒーロー。それが第3シリーズ最大の特徴といえる。その要素を強烈にアピールしているのが、シリーズ唯一の人間レギュラーであるヒロイン天童ユメコの存在と、様々な能力を持った武器として登場した妖怪オカリナなのだ。
また、その人気の高さから通常の108話に加えて、特別編ともいえる「地獄編」が7話製作された。亡き母を求めて地獄をさ迷う鬼太郎を描いたこのミニシリーズは、鬼太郎のライバルキャラとして登場した地獄童子の登場など話題を呼んだ。しかし、放送曜日や時間帯も異なったうえ、一部地域では未放送だったため幻の作品と言われている。
おなじみの主題歌も従来のものをアレンジしたニューバージョンで、吉幾三が担当したことで当時の話題をさらったことも忘れてはいけない。