京騒戯画とは

かつて、とても近いがここではないどこか。いくつかの星が混在し、人とカミとの境界が未だ曖昧だったころ・・・ 京都であって、京都ではない、カガミの都、鏡都。そこでは人もモノノケも仲良く暮らし、人は死なず、全てのものは絵から生まれ、壊れたものもいつのまにか元通りになる―不思議な都。その都を、鞍馬・八瀬・明恵の三人は永きにわたり守り、親である明恵上人と古都の帰りを待ち続けていた。永遠の平穏が続く鏡都の日常へ、ある日、時空の狭間から一人の少女が落ちてきた。赤い目をした彼女の名はコト。巨大化するアラタマを抱え、式神を引き連れてやってきた彼女が、止まっていた都の空気を大きく震動させてゆく!母を探しにやってきた少女コトと父の帰りを待ちわびる坊主・明恵。その兄・鞍馬と妖怪を束ねる姉・八瀬。この物語は、ある一家を巡る愛と再生の物語である。

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