キスをしている類と静。 二人のかもしだす世界はまぶしすぎて、つくしが入り込める余地はない。 F4の他の面々ともキスをする静。 びっくりするつくしだが、その中心にいる静、彼女に対する思いは、対抗心などは露ほどもなく、ただ、ショックと羨望が有るだけだった。
つくしの家でかわされる家族の会話。 つくしにとってこれが普通であり、一番和む時なのに、その夜は静とF4、英徳学園との世界の違いをあらためて思い知るものとなってしまった。 (本気になる前に・・・これ以上惨めな思いをする前に・・・バイバイ・・・花沢類・・・・)
同じ頃F4と静は深海のムードが漂う店内にいた。 司いわく”タケウマの友”の彼らは楽しそうにお互いのことを話している。 そんな中なぜか渋い顔をしている類。どうやら、静のポスターに不満が有るようだ。 「なんであんな写真取らせるんだよ。ハダカみたいじゃないかよ。」 いいながらちょっと照れている類に、静は嬉しく思うのだった。 「やさしいのね、類。いつもあたしのこと考えてくれて、・・・・大好きよ」 静を見つめる類のまなざしは、優しく、そして熱い・・・。
翌朝、自ら殻に閉じこもるかのように、三ツ編みをしているつくし。 からんできた司に、身のほど知らずと言われても何も言えず走り去ってしまう。
力なくうつむくつくしに声をかけてきた人物がいた。 いぶしかむつくしのまえにあらわれたその人物とは、小学生の時の友達だったお気楽少年、青池和也だった。 幼き頃の友達、しかも同じパンピーな彼(現在はお金持ちだが)に会えたことで、つくしは一気にご機嫌になってしまった。 周囲の小バカにしたような視線も気にならなかった。だが、楽しそうにしている二人を見て、面白くないのは司だった。
和也のロッカーに赤札がはられ、生徒達のつくし・和也への攻撃が始まった。 なにもわからずショックを受ける和也。司の姿を捉えたつくしは走り出していく。 「あたしの大切な友達に何するのよ!」 「あんな奴のどこがいいんだ!好きなのか?!」 「あんたなんかの千倍大好・・・・」 おもわずひっぱたいてしまった司。 はっとして言いつくろうとするが、つくしの拳が司の顔面に炸裂した。 のびてしまった司を尻目につくしと和也は逃げ続けのだった
いじめをかわしつつも、ついには大学のラウンジで捕まってしまった。 そしてそこには一番見られたくない、静とF4達がいた。 静たちに見られている・・・、そのショックはおさえきれない。 恥ずかしさと惨めさで消えてしまいたいつくし。そんななか、男子生徒を突き飛ばし、つくしの体を抱きかかえてくれたのは、花沢類だった。 「ガキくせーことしてんじゃねーよ!」怒りに震えている類の目。 つくしはとめどなく、涙があふれてくるのだった。
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