1968年にフジテレビで放映された初めての東映動画(現・東映アニメーション)作品であり、4度もアニメ化されて国民的妖怪アニメの代名詞となった『ゲゲゲの鬼太郎』の記念すべき第1作が本作である。
原作は紙芝居、貸本漫画を経て、雑誌連載にまで到った水木しげるの代表作である漫画『墓場の鬼太郎』。
しかし『墓場』という言葉がテレビにはそぐわないとの配慮から改題を余儀なくされ『鬼太郎くん』という仮題でアニメ化の企画が進行することになる。
そして最終的には先に発表されていたイメージソングの『ゲゲゲのゲ』というフレーズを取って『ゲゲゲの鬼太郎』として誕生した。
そしてこのアニメ放映にあわせて、原作漫画もなじみ深い現在のものへと改題された。
ちなみに、このときのイメージソングこそ現在でも使われているあのおなじみの主題歌である。
原作では怪奇性の強い作品であったものを、子供にも理解できる妖怪との戦いを中心にした一話完結の物語にアニメでは作風をシフト。その結果、多くの子供たちに受け入れられヒットした本作は、この後に始まる『妖怪ブーム』の火付け役となった。
ちなみに放送第1話に選ばれた
「おばけナイター」ではレギュラーであるねずみ男も出なければ妖怪との戦いもないのは、製作された後でこのエピソードを第1話に決定したからである。当初このエピソードは第5話あたりを予定されていたという。これも本来なら第1話でやるべき主人公鬼太郎の誕生よりも、娯楽性の高いストーリーを優先して各話のエピソードを製作した結果だといえるだろう。
また作風を意識したのか、カラー映像が普及し始めたこの時期に最後まで白黒映像で製作され、東映動画最後の白黒アニメ作品となった。
© 水木プロ・東映アニメーション