スタッフインタビュー 聖闘士星矢のできるまで 初だし!! 取材後記 トップ

ツルくんによる取材後の感想・取材についての解説を書きつづった取材後記をまとめて読めちゃいます。裏話もあるヨ!このボタンがついているところをまとめて読むことができます。

できるまで初号編[2/20]

2月某日、調布市にある東映ラボ・テックにて「天界編序奏」の0号試写が行われました。0号試写というのは、フィルムの原版を作成したのち、最初にプリントされるフィルム(0号プリント)を主要スタッフでチェックすることです。
毎度のことらしいのですが、深夜にラボ・テックに集合。フィルムが焼きあがるのを待ち、試写が始まったのは明け方の4時半ごろでした。やや眠たかった私ですが、やはり完成品となると感動も別格!

数日後、東映東京撮影所にて初号試写が行われました。こちらは主要スタッフだけでなく、関係者を大勢招いての完成お披露目上映といったところでしょうか。そしてその後には恒例の打ち上げパーティー。スタッフの皆さんが集まり、長く苦しい闘いであった「天界編序奏」の完成を祝いました。皆さん、本当にお疲れさまでした。

さて、これまで7回にわたって「聖闘士星矢のできるまで」をお送りしてきました。制作スタッフの、この作品に対する熱意を少しでも感じていただけたでしょうか。もしそうなら是非、劇場に足を運んでみて下さい。熱いコスモ小宇宙(コスモ)が皆さんを待ってますよ。


できるまでダビング編[2/13]

1月某日、東映東京撮影所にて「天界編序奏」のダビングが行われました。アフレコは分かるがダビングってなんじゃい、というアナタへ。ようはセリフ、音楽、効果音を演出意図に合わせて適切なタイミング、適切な音量で規定のチャンネル(今回の「天界編序奏」はDTS 4ch)のサウンドトラックにMIXしてゆく作業です。ちょっとした映画館並みの大きさがあるダビングルームに、監督山内氏をはじめ10名程度のスタッフが集まりました。

1日目はミュージックダビング(MD)です。あらかじめ録音されていた音楽をまず映像に合わせてダビングしていきます。ちなみに「天界編序奏」の音楽はもちろん旧TVシリーズと同じ、横山菁児先生による完全新曲!私自身も小学生のころTVアニメの「星矢」にハマってましたが、あの音楽のカッコよさは今でも鮮烈に思い出されます。今回もすごいことになってますよ〜。

さて、2日目からはいよいよセリフと効果音をMIXしてゆきます。今回のスタッフは監督以外にも録音の川崎氏、音響効果の今野氏、選曲の佐藤氏など、旧TVシリーズ&劇場版の面々が再結集しました。そのこだわりたるや半端ではありません。何度も何度も同じロールを回し、監督のイメージ通りの音を目指して綿密な調整が続きます。

そんなこんなでダビング作業は連日深夜まで続き、ついに5日目に突入しました。やっと最後の5ロール目が終わったのは、結局日付が変わって朝の8時!それでも櫻田Pなどから「いやあ、今回はわりと順調なほうだったね〜」なんて言葉が飛び出すんですから、この現場ってば凄まじいというか楽しいというか。とにかく、皆さんお疲れさまでした。

アフレコ編[1/23]

前回と今回の4日間に渡った編集・アフレコの様子を見ていただいたわけですが、雰囲気だけでも感じてもらえましたでしょうか。ここでまた若干の補足説明を加えてみたいと思います。
☆アフレコについて
30分のTVシリーズの場合はAパート(前半)・Bパート(後半)の2回に分けて録音するのに対し、劇場版は尺が長いためさらに細かいロール(かつてのフィルムのひと巻き)に分け、それぞれテスト→本テスト→本番という流れで録ってゆきます。マイクに向かって喋った役者さんの声がスタジオ中央にあるミキサー卓に入り、ここで録音さんの手により適切なレベル(音量)に調整されたのちデジタルMTR(マルチトラックレコーダー)に録音されていくわけです。
本来ならば全てのカットが本撮(キャラクター・背景が揃って撮影された、いわば完全なカット)ならば演技しやすいのですが、間に合わずに原撮(原画のみを撮影したもの)だったりレイアウト撮(レイアウトのみを撮影したもの)だったりすると役者さん達に苦労をかけてしまうわけです。今回も特に終盤はかなり厳しい状態でした。なにせ色も動きもなく、カットによってはどういう場面なのかも分かりづらいこともままあるのですが、それでも演じてしまう役者さんの技能にはいつもながら感心すると同時に頭が下がります。
アフレコは終わりましたが、映画に必要な音には「台詞」の他に「効果音」と「音楽」がありますね。これらがMIXされるといよいよ映画らしくなってくるわけですが、その作業の様子は追って取材する予定です。どうぞお楽しみに。

編集編[1/16]

今回は4日間に渡った編集・アフレコのうち、編集編の様子を見ていただきました。ここで若干の補足説明を加えてみたいと思います。
☆編集について
編集とは、撮影から上がってきたカットを繋いで一本の映像にする作業のことです。アニメの場合実写作品と違い、どのようなカットを撮影するかはあらかじめ絵コンテによって全て決められていますが、カットを繋いだときに演出(監督)の意図した通りの映像になるよう、また作品全体の尺(長さ)が規定通りになるように(今回の「天界編序奏」は約80分)各カットの尺を調整し、場合によってはカットごと欠番にしたりします。さらに、日本のアニメは基本的にアフレコ(完成した映像に、後から台詞を吹き込む)なので、キャラクターが喋っているカットは台詞の長さに合った尺にする必要があります。

次回はアフレコ編の様子をお送りいたします。どうぞお楽しみに。

櫻田Pインタビュー[1/9]

・・・というわけで今回はインタビューでもなんでもないムービーになってしまいましたが、お楽しみいただけましたでしょうか。アニメの制作のほうは大泉スタジオで主に行われていますが、新宿オフィスでもいろんな人が星矢に関する仕事をしております。みな頑張っておりますので、今回の劇場版、どうぞよろしくお願いします。

[番外編] よくわかる?星矢のつくりかた
おはようございます。今回この「制作編」の取材をやらせてもらってますツルです。制作現場にはいろいろと専門用語も多く、見ているお客さんも何が何だかよくわからん!という人もいるかと思われますので、ここでアニメ制作の流れを簡単に解説したいと思います。
アニメの制作にあたっては、まず監督が絵コンテを作成します。これは各カットがどんな絵になるか、どんな動きをするか、どんな音がつくかといったイメージをまとめたいわばアニメの設計図です。
絵コンテに基づき、作画監督がレイアウトを描きます。レイアウトとは各カットの構図を決めるためのラフスケッチのようなもので、これに基づいてキャラクター、背景が別々のスタッフに発注されます。
キャラクターについては、アニメーターがまず動きの要となる原画を描いていきます。
それから原画を原画の間の動きを補完する動画(中割りともいいます)が描かれます。
これらの動画が作画監督のチェックを経て、PCにスキャンされます。PC上で彩色・特殊効果が加えられます。
背景については、まず美術デザイナーが背景原画を描きます。
それに基づいて紙に絵の具で背景を描き、PCにスキャンします。
最後に、色のついたキャラクターと背景をPC上で合成(デジタル撮影)し、カットが完成するわけです。このカットは予告編にも入っていますので、確かめてみて下さい。

仕上げ編[12/26]

「仕上げ」というのは紙に描かれた動画をセルにトレス(写し)し、色を塗ってゆく作業のことなんですが、今ではすべてデジタル化され、コンピュータ上で行われています。動画や彩色に関しては海外を含めた社外のプロダクションで主に行われており、東映アニメーションだけでなく様々な人々の手によって「星矢」は作られているのでした。

インタビュー太田氏[12/26]

太田さんは非常に楽しい方で、これまでの真面目なインタビューとは一線を画すものになってしまいましたが、こういうのも面白いですね。インタビュー中に「すけすけ〜」と言っているのは、劇中アテナが××するとき(ごめんなさいまだ書けません)の、水にぬれた足もとのカットのことなんですが、当初太田さんがかなり透けた効果をつけたところ、カントクから「う〜ん、ちょっと透けすぎだね」ということで修正したとのことでした。う〜ん残念!(?)

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「聖闘士星矢」製作委員会 (C)車田正美/集英社・東映アニメーション