ストーリー

2003年9月7日 放送

第31話
「泣かないピエロ」

引き続きギリシャに滞在する一座。パーティ会場での公演では、アーベルがジャグリングを披露している。そこへ車椅子に乗った少年とその両親が現れた途端、アーベルが玉から落ち、怪我をしてしまった!更に、少年の両親から依頼を受けた船上パーティでの公演を休みたいと取り乱すアーベル。明らかに様子がおかしい彼を、心配するナージャ達だが・・・

アーベルを心配する団員達に、団長は彼の過去を語り始める。船上パーティの依頼主の夫人と車椅子の少年は、アーベルの別れた奥さんと息子で、昔、医者をしていたアーベルは、流行り病にかかった息子や貧しい村人のために、病院から薬を盗んでしまい、刑務所に入っていたのだという。それを聞いたナージャは、刑務所から出た後、家に帰らず一座に入ったアーベルに疑問を抱く。

アーベルをもう一度家族と向かい合わせる為、ナージャは船上パーティが開かれる船を訪ね、アーベルの息子シュテファンと出会う。アーベルただ一人が父親だという彼に、ナージャは嬉しくなるが、当のアーベルは、自分と居ない方が家族は幸せになれる、と家族と会うことをかたくなに拒否する。

どんなに思われていても、今の二人の幸せを壊したくない、だから会えないのだとアーベルは言う。しかしナージャの、彼女と母親の境遇を重ねた必死の説得に、「ダンデライオン一座のピエロ」として家族に会うことを決意する。パーティで愛する妻と息子に対面したアーベル。彼がシュテファンにプレゼントしたくるみ割り人形には、幸せな家族の顔が彫られていた。

スタッフ

脚本 K・Y・グリーン
演出 葛西 治/中尾 幸彦
作画監督 桑原 幹根
美術監督 ゆきゆきえ/いでともこ