長編アニメーション映画『白蛇伝』のご紹介

作品解説

長編アニメーション映画『白蛇伝』
日本が生んだ初めての本格的カラー長編アニメーション映画。公開当時、日本でもこれだけの655作品が作れるのかと内外を驚かせ、東映動画の存在を一気に世に認めさせた記念すべき作品。
その初々しい感性と、作り手たちの情熱は観る者の心を打つ。今日に至るも、その作品的価値は下がるどころか、時を経るに従ってその評価は高まり、日本のアニメーション映画史上に残る名作として、多くの人々の胸に生き続けている。海外においてもその真価を認められ、各地の映画祭での受賞、団体等からの推薦は枚挙にいとまがない。
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ものがたり

長編アニメーション映画『白蛇伝』
 白蛇の精白娘は、幼い頃かわいがってくれた許仙のことが忘れられず美しい娘となって彼の前に姿をあらわした。二人を手引きするのは、魚の精の少青。たちまち、二人は恋に陥ってしまう。

 しかし、このことはたちまち法海和尚の知るところとなり、妖怪に魅入られた若者の命を慮る和尚は、法力をもってこの恋をさまたげようと決意するのであった。白娘には恐ろしい相手である。

 にも拘わらず、二人の恋は上々の首尾で、花の咲き乱れる美しい屋敷をそぞろあるきなどして、夢うつつのひとときを過ごすのであった。許仙の仲良しパンダとミミーの二人、いや二匹とも、少青と一緒に屋敷のなかを遊び歩き、挙げ句の果てに柱の飾り龍を引きずり落としてしまった。

 龍はかってに動き出し、パンダとミミー、そして少青をつかまらせたまま、夜空を飛び回って、宝物殿に落ちた。少青はそこで宝石を拾って許仙と白娘に与えたが、これが二人を引き離すもととなる。

 役人が踏み込むと、美しい屋敷はたちまち廃虚と化し、白娘は消えた。

 許仙は妖術使いの泥棒の一味とされ、蘇州に流され、舟曳き人夫となって働く。いとしい許仙のあとを追ってきた白娘は、すでに先回りしていた法海和尚との法力合戦に破れ、白蛇の本体を現わす。で、最後の力をふりしぼって幻となり、許仙の前から消えようとするが、後を追った許仙は崖から落ちて死んでしまった。

 もはや、龍王にすがるしかない。
 白娘は自分の命を代わりに捧げる事を願うのだった。
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スタッフ&キャスト

作品名 白蛇伝
封切年月日 昭和33年(1958年)10月22日
上映時間 78分
製作 大川 博
企画 高橋秀行 / 赤川孝一 / 山本早苗
原案 上原 信
脚本 藪下泰司
美術 岡部一彦 / 橋本潔
音楽 木下忠司
(主題歌)作詞 矢代静一
      作曲 木下忠司
原画 大工原 章 / 森 康二
動画 大塚康生 / 喜多 真佐武 / 中村和子 / 楠部大吉郎 / 藤井 武 / 松隅玉江 / 坂本雄作 / 紺野修司 / 寺 千賀雄 / 長沢 寿美子 / 加藤 洋子 / 赤坂 進
撮影 塚原考吉 / 石川光明
背景 草野和郎 / 前場孝一
トレース 進藤みつ子 / 山田 みよ
彩色 伊藤澄子 / 宮崎正子 / 本橋文枝
編集 宮本 信太郎
録音 森 武 / 小松忠之
音響効果 吉武 富士夫
風俗考証 杉村勇造
記録 山崎 幸子
進行 稲田 伸生
現像 東映化学工業株式会社
声優出演 森繁久彌 / 宮城 まり子
演出 藪下泰司
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