デジモンアドベンチャー tri.
INTRODUCTION
埠頭の水面が朝陽を受けて揺らぐころ-
「バンッ」
目覚まし時計を勢いよく止める手。
乱雑に絡まった布団を蹴って、低く唸りながら伸びをする。
カーテンからこぼれる光が当たるのは、
机に置かれた"あの日"の集合写真。
「いってらっしゃい、お兄ちゃん」
送り出す声を背中に、ドタバタと家を飛び出していく。
立ち漕ぎの自転車から見上げた先には、 青い初夏の空―
八神太一、17歳、高校生。
今、再び 冒険が進化する―